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新井平伊順天堂大学医学部名誉教授

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

脳の健康寿命を延ばすには「変化」を見逃さないことが重要

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 日本人の平均寿命は延びています。厚労省が発表する2020年の簡易生命表では、男性の平均寿命は81.64歳、女性87.74歳。男女ともに前年の平均寿命を上回っています。

 では、脳の寿命はどうでしょうか? 残念ながら、体に比べると延びているとは言えません。脳の健康寿命の限界は、認知症の増加という形で表れています。

「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」では、2012年の65歳以上の認知症有病率は15%(462万人)。糖尿病などの有病率が認知症の有病率に影響を与えることがわかっており、糖尿病有病率が2012年以降も20%増加すると仮定した上で、2025年には高齢者の20%に当たる730万人が認知症になると推計しています。

 認知症の主な原因疾患は、約70%がアルツハイマー病、約20%が脳出血や脳梗塞といった血管に由来する血管性認知症、それ以外がレビー小体型認知症や前頭側頭葉変性症になります。

 血管性認知症は、脳血管障害の引き金となる高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの対策によって、明確な予防策を講じることが可能ですが、アルツハイマー病は根本的予防策がありません。結果、脳の寿命の延びが、体の寿命の延びに追いつかないというアンバランスな状況になっているのです。

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