対がん新兵器「ハイパーサーミア療法」が高齢患者にやさしい理由

公開日: 更新日:

 この治療法のメリットはほかにもある。併用すると抗がん剤の効果がアップすることだ。

「熱を加えるとがん細胞を覆う細胞膜の透過性が高まり、抗がん剤の取り込み量が増え、結果としてがん細胞内の抗がん剤濃度が高まります。さらにがん細胞が抗がん薬によるDNA損傷を回復しようとするのを、温熱が阻害する。この2つの理由から抗がん剤の効果がアップするのです」

 つまり、ハイパーサーミアを併用することで抗がん剤の効果を高めることができるわけだ。

「あくまでもガイドラインに沿った治療を第1に行うことが大切ですが、高齢者で体力がない人、副作用の強い人などでは、この治療により抗がん剤を通常より減らしたりすることも今後は検討されると思われます。しかも、抗がん剤の効果を高める以外にもハイパーサーミア療法による加温でその人が持つ免疫力が高まることがわかっています」

 うれしいことにこの治療法はほとんどのがんに効果があり、入院は不要。患者は治療器に約40~50分間横たわるだけでよく、週に1~2回のペースで通院治療できる。公的医療保険の適用となるため、治療費も安い。

 村田会湘南大庭病院では1日6人で週5日、最大30人のがん患者を受け付けている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも