著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

「骨粗しょう症」のクスリにはいくつもルールが決められているものも

公開日: 更新日:

 ただでさえ吸収されにくいクスリなのに、そこに水以外の飲食物が存在してしまうと、まったく成分が吸収されなくなってしまうなんてことにもなりかねません。「起床時に服用すること」についても、胃の中身が空っぽである場合が多い時間帯だからです。

「服用するときにはコップ1杯の水で服用すること」は、ビスフォスフォネート薬の副作用のひとつである食道潰瘍を予防するためのルールです。ビスフォスフォネート薬は食道にひっついてしまうとそこで潰瘍を起こすことが知られていて、当然、避けなければならない副作用となります。このルールは、簡単に言うと十分な水を使ってクスリをしっかり胃の中に流し込むためのものなのです。

「服用後30分は横にならないこと」も食道潰瘍を予防するためのルールで、せっかく十分な水でクスリを胃の中に流し込んだとしても、その後に横になってクスリが逆流すると、やはり食道潰瘍のリスクになってしまいます。

 ビスフォスフォネート薬に限らず、クスリを使うときにルールが決められている場合、そこにはすべて意味があります。ルールを守らないことで副作用が起こってしまった場合、救済制度などが使えなくなるケースもあるので、しっかりルールを守って安全にクスリを使っていきましょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    高市自維政権で進む病人・弱者切り捨て…医療費削減ありき「病床11万床潰し」すでに3党合意の非情

  4. 4

    創価学会OB長井秀和氏が語る公明党 「政権離脱」のウラと学会芸能人チーム「芸術部」の今後

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  2. 7

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 10

    まだ無名の「アマNo.1サウスポー」評価爆上がり!23日ドラフト「外れ1位」なら大争奪戦も…