介護施設に入ったことで認知症の症状が悪化するケースはある?

公開日: 更新日:

 認知症の患者さんを施設に預けると「認知症が悪化するのでは?」と悩まれるご家族の声があります。実際、介護施設は認知症の症状を治せる場所ではないのですが、預けたから悪化するわけでもありません。

 たしかに生活環境が変わることで人は不安を抱きます。認知症の患者さんでなくても、新しい土地で知らない人たちとの生活が始まれば戸惑ったり、ストレスもたまりますよね。認知症の方は変化に順応するのが厳しくなりますのでなおさらです。

 アルツハイマー型認知症の患者さんは、中核症状として、新しいことが覚えられない「記憶障害」や、時間・場所・人が認識できなくなる「見当識障害」が起こります。住み慣れた自宅から施設に入所し、生活習慣や周囲の人間関係が変われば、適応できずに不安や混乱を招き、それによるストレスが認知症の症状の悪化の要因になります。

 もちろん、施設に入所しても元気に生活される患者さんはたくさんいます。より良い環境を与えてあげるためにご家族ができることは、「安心」と「刺激」をつくってあげることです。

 たとえば施設選びです。自宅から近い施設であれば、家族が面会に通いやすい。コロナ禍で難しい部分はありますが、入所後しばらくは施設にお願いし、週に数回は会話できる機会をつくるといいでしょう。オンラインでも構いません。その際は、お孫さんであったり、近所のお子さんなど、子供との交流がおすすめです。お互い覚えていなくても会話が成り立ち、子供による思いがけない言動は脳に刺激を与えます。さらに近所の施設なら、患者さんが職員の方などと一緒に見慣れた土地を散歩することも可能です。施設に昔の知り合いが入居していることもあるでしょうから、生活圏内で施設を探すのはひとつの方法です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも