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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

迷うようなことはだいたいどっちでもいい…考え続けることが重要

公開日: 更新日:

 ただそれは、30年以上にわたって医者を続けてきた主な要因ではない。最も大きなこととしては、「がんばることが重要」という価値観が常に頭にあったことではないかと思う。しかし、この「がんばることが重要」というのも、今となってはそんなふうに思うこともなかったなというのが、正直なところだ。私には3人の子供がいるが、3人ともそれほどがんばらず、こうなりたいというのもなく、30歳を過ぎているが、それなりに楽しそうに毎日生きている。

 私もこんな人生の方がよかったな、それが今の本音でもある。「マスクを着ける/着けない」「ワクチンを受ける/受けない」という判断も、同様に最善の判断をしたと思ったところで、振り返ってみればそうでもないことが多いのではないか。むしろ次の判断のために考え続けることが重要だということだ。

 だいたいのことはどっちでもいいというのは、コロナについても当てはまる。それを判断が困難と考えるよりも、行動は適当に決めて、考えることだけは根気よくだらだら続けたい。

 判断や行動は重要ではない。その多くはどちらでもよい。重要なのは考え続けること。最後にそれをもう一度繰り返しておきたい。(武蔵国分寺公園クリニック名誉院長)

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