がんと誤診されやすい「IgG4関連疾患」とはどんな病気なのか

公開日: 更新日:

 一方で、膵臓がんや胆管がんの約10%は、IgG4関連疾患ではなくてもIgG4の数値が上昇する。つまり、IgG4の数値も決め手にならない。

 さらに、治療が困難なケースもある。前述のように、IgG4関連疾患の治療はステロイドの投与。大半の患者はこれでIgG4関連疾患による症状が消える。ところが、ステロイドの減量や中止で再燃する人がいるのだ。そういう患者に対しては、3年ほどステロイドを少量投与する。慎重に経過を観察し、状況に応じて、ステロイドの継続投与の有無を判断しなくてはならない。

「複数の臓器にまたがる疾患のため、それぞれの臓器の専門医が経験をもとに、組織横断的に治療に当たっていかなくてはなりません。スペシャリストをつくるには、専門の診療センターが必要と考え、立ち上げに至りました」

 IgG4関連疾患は、がんと間違われやすい。がんの疑いを告げられ、しかし次の3点に該当するなら、IgG4関連疾患の可能性も考え、IgG4関連疾患センターへの紹介状を主治医に書いてもらった方がいい。

 まず、がんと診断されたが、「腫瘍マーカーが高くない」あるいは「生検でがん細胞が出てこない」。次に、膵臓がんと診断されたが、典型的な膵臓がんの画像とはやや違う。さらに、臓器の腫瘤に加え、まぶたの腫れがある。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ