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森大祐整形外科医

整形外科全般診療に長年携わる。米国トーマスジェファーソン大学で人工肩関節の臨床研究を行い、2000例超の肩関節手術を経験。現在は京都下鴨病院で肩関節や肘関節、スポーツ障害患者に診療を行う。サイトで整形外科疾患の情報を発信。

「人工肩関節置換術」が年間わずか5000件しか行われていない理由

公開日: 更新日:

「人工肩関節置換術」という治療をご存じでしょうか? 何らかの原因で肩の関節が傷んだ場合、人工のものに置き換えて機能回復を図る手術です。

 患者さんにこの治療法について話すと、大抵の方が、「変形性膝関節症や変形性股関節症は聞いたことがありますし、それらを人工のものに置き換える治療法(人工膝関節置換術や人工股関節置換術)も聞いたことがあります。でも、肩関節に人工関節置換術をすることは知りませんでした」とおっしゃいます。

 日本では、膝の人工関節置換術は年間約10万件、股関節では約7万件行われています。一方、肩関節は約5000件。膝関節と比較すると、20倍近くの開きがあります(日本人工関節学会ホームページ参照)。

 それだけ違うと、整形外科領域の医療従事者でない限り、肩関節の人工関節を受けられた方に会うことはめったにないでしょう。そのため、肩の人工関節置換術はまだまだ認知度が高くありません。

 肩の人工関節置換術の適応となるのは、肩の軟骨がすり減る変形性肩関節症、肩の腱が断裂し肩関節の骨の変形も進行する腱板断裂性変形性肩関節症、上腕骨の重度の骨折、骨折後の変形治癒(骨折治療後の経過が芳しくない状態)などが挙げられます。

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