著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

朝潮に続きKANさんも…小腸がんをしっかり見つける検査の手順

公開日: 更新日:

 そんな監視の目をすり抜けてがんができると小腸のがんも、ほかのがんと同じように早期は無症状。相次いで小腸のがんで命を落とした2人が進行して見つかったと思われるのは小腸ならではの要因もあります。実は胃の内視鏡でも大腸の内視鏡でも、小腸には届かないため検査がしにくいのです。進行すると、腹痛や膨満感、貧血などの症状が現れます。これらは胃や大腸などの異常でも生じる症状ですが、胃と大腸の内視鏡に異常がないのに症状が続く方は小腸を調べてもらうとよいかもしれません。

 その場合、カプセル内視鏡がお勧めです。直径11ミリ、長さ26ミリのカプセルにライトやレンズ、カメラ、画像転送装置などが詰め込まれたカプセルを口からのみ込むと、便から排泄されるまで消化管の様子が撮影される仕組みです。撮影は1秒に2~6コマ。小腸もチェックされます。

 今回、小腸のがんが続きましたが、長引く腹痛だからといってすぐに小腸を調べるのは、その頻度からいってお勧めできません。まずは胃や大腸を調べて、それらの異常が否定された上で小腸を調べるのがステップとしては適正です。なぜなら、カプセル内視鏡は自費で12万円ほど、保険が適用されて3割負担で4万円ほど。決して安くはありません。

 KANさん、朝潮さんのご冥福をお祈りします。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か