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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

ワンランク上の健診「脳ドック」(4)頸動脈エコーで「一過性脳虚血発作」のリスクを知る

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 プラークが剥がれて破片が散ると、血流に乗って脳の奥のほうの血管を塞いでしまいます。それがアテローム性脳梗塞です。どこが詰まるかによって症状や重症度はさまざまですが、すぐに治療を開始しないとさまざまな後遺症が残ります。

 頚動脈エコーは、総頚動脈から内頚動脈にかけての動脈硬化とプラークの様子をリアルタイムで映像化するので、TIAやアテローム性脳梗塞のリスクを評価できるのです。

 脳ドックは脳梗塞やくも膜下出血のリスクを評価するのに有効で、それに基づいてさまざまな対策を講じることができるようになります。しかし完璧というわけではありません。脳梗塞の約20%は、通常の心電図検査では見つけにくい不整脈が原因の「心原性脳梗塞」、約15%は「潜因性脳梗塞」と呼ばれる、原因不明のものだからです。さらに、脳出血(脳内の細い血管が切れて出血する病気)のリスク評価も難しいのが現状です。

 また、中高年の不安の種である「認知症」の早期発見やリスク評価にはほとんど役に立ちません。そのため近年、「認知症ドック」を始める病院も増えてきています。 =この項おわり

(永田宏・長浜バイオ大学メディカルバイオサイエンス学科教授)

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