陽子線でがんを狙い撃つ(3)予後不良の進行肺がん、膵がんの救世主になるか

公開日: 更新日:

 進化した放射線治療、陽子線治療。従来のX線治療と比較して、陽子線はがんをピンポイントで集中攻撃ができ、正常組織へのダメージをかなり抑えられる。

「局所治療なので、血液がんや広範囲にがんが散らばっている場合などは適応外。基本的には、X線治療の対象となるものは全て陽子線で治療できます。ただし、がんの種類、ステージによって保険適用か、先進医療対象か、または自由診療かに分かれます」(中部国際医療センター陽子線がん治療センター施設長・不破信和医師=以下同)

 日本では前立腺がんが保険適用のため、陽子線治療の件数の半分を占めている。しかし手術可能な場合、手術、X線(最新のIMRT)、陽子線と治療成績は変わらず、ステージⅠ~Ⅲでは5年生存率100%。晩期障害(治療後しばらく経ってからの健康障害)の血尿リスクが減少したり、X線より放射線発がん率(放射線によるがん発症のリスク)が下がるとの報告があり、陽子線ならではのメリットもあるが、「陽子線でなければ」とまでは言えないかもしれない。それに対し、「これこそ陽子線」というがんがある。例えば進行肺がんだ。今年6月から早期で切除不能のものは保険適用となったが、進行肺がんは先進医療対象。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー