著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

薬をお湯に溶かしてから服用する「簡易懸濁法」の注意点

公開日: 更新日:

 前回、医薬品の粉砕にはさまざまな問題が生じるとお話ししました。その解決策のひとつが「簡易懸濁法」です。錠剤やカプセルを粉砕せずに投与時にそのままお湯に入れて崩壊、懸濁を待って投与する方法です。

 考えてみれば、薬を飲みこんで、体の中ですぐに崩れるのならば、あえて錠剤をつぶしたりする必要はありません。簡易懸濁法を用いると、投与量のロスを防ぐことができますし、抗がん剤などの粉末を介護者が吸入・接触することによる健康被害も防ぐことができるのです。胃ろうや腸ろうなどチューブを通して内服薬を投与する場合にも、とても優れた方法です。

 手順はとても簡単で、薬剤を入れた容器に約55度のお湯を入れて、10分程度待ち、錠剤・カプセルが崩れて“濁り水”状態となった薬液を投与するだけです。ただし、持続的にゆっくり溶けるように製剤設計をしている薬剤や、お湯での懸濁に問題がある薬剤、光に不安定な薬剤など、簡易懸濁法が適さない医薬品もあるため必ず薬剤師に相談した後に行うようお願いします。

 簡易懸濁法でも錠剤が溶けにくいからといって安易に砕いてしまうと、成分が急速に吸収されるなど問題となるケースも出てくるため、必ず薬剤師に相談してください。

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