依存症の人が見えている世界(1)いつの間にか主従が入れ替わっている

公開日: 更新日:

 不安やストレスなどによっても依存度は高くなり、気が付けば沼から抜け出せなくなることも。不安だからお酒を飲んでいたのに、気が付けばお酒を飲まないと不安になっている。お金が欲しいからギャンブルをしているはずなのに、ギャンブルをするために金策に走る。主従が入れ替わってしまったら、依存症という病気になっていると自覚すべきだ。

「依存症という病気は、『本人より先に周囲が困る』という問題を抱えています。本人は、問題を起こすたびに、『二度としない』などと誓うのですが繰り返してしまう。本人だけで解決することはとても難しいため、周囲が依存症とはどんな病気なのかを理解することが大切なのです」

 山下院長は、「依存症とは、脳の仕組みによって引き起こされる病気」だと説明する。次回以降は、その点について詳しく掘り下げていく。=つづく

▽山下悠毅(やました・ゆうき) 精神科専門医・精神保健指定医。日本外来精神医療学会理事。近著に「彼らが見ている世界がわかる 依存症の人が『変わる』接し方」。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  5. 5

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方

  1. 6

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  2. 7

    突然のがん宣告にも動揺なし「で、ステージはナンボでしょうか?」

  3. 8

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  4. 9

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  5. 10

    平和記念式典での石破首相スピーチの評判がすこぶるいいが…原稿を下書きしたのはAIだった?