かつて人気の健康法「乾布摩擦」は本当に体に良いのか?

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■1日2回で熟睡できたとの報告も

 そんななか、林院長がいま注目しているのは「TRPチャネル」だという。

「人は外部環境温度に応じて体温調節して深部体温を維持することで命を保っています。それだけ温度感覚は重要ですが、そのメカニズムは長らく不明でした。ところが1997年に温度センサーであるTRPチャネルが発見され、謎が解明されたのです」

 TRPチャネルとは細胞膜を貫通するイオンチャネルの一種で、さまざまな物理的・化学的刺激に応じて開口。イオンの流れを制御することで温度、痛みなどの感覚の伝達や細胞の生存に関与しているという。

「その後の研究ではTRPチャネルにはさまざまな種類があり、それぞれ視覚や味覚、痛み、酸などの外部からの複数の刺激で活性化されるほか、内臓の働きを感知するセンサーとしても働いています。その機能障害は神経・精神疾患を含め多くの病気にも関わっていることも判明。2021年のノーベル医学・生理学賞につながったのです」

 林院長は乾布摩擦による皮膚表面への刺激が、TRPチャネルを動かし、全身に良い働きをもたらしている可能性もあるのではないか、と推測しているという。

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