かつて人気の健康法「乾布摩擦」は本当に体に良いのか?

公開日: 更新日:

■1日2回で熟睡できたとの報告も

 そんななか、林院長がいま注目しているのは「TRPチャネル」だという。

「人は外部環境温度に応じて体温調節して深部体温を維持することで命を保っています。それだけ温度感覚は重要ですが、そのメカニズムは長らく不明でした。ところが1997年に温度センサーであるTRPチャネルが発見され、謎が解明されたのです」

 TRPチャネルとは細胞膜を貫通するイオンチャネルの一種で、さまざまな物理的・化学的刺激に応じて開口。イオンの流れを制御することで温度、痛みなどの感覚の伝達や細胞の生存に関与しているという。

「その後の研究ではTRPチャネルにはさまざまな種類があり、それぞれ視覚や味覚、痛み、酸などの外部からの複数の刺激で活性化されるほか、内臓の働きを感知するセンサーとしても働いています。その機能障害は神経・精神疾患を含め多くの病気にも関わっていることも判明。2021年のノーベル医学・生理学賞につながったのです」

 林院長は乾布摩擦による皮膚表面への刺激が、TRPチャネルを動かし、全身に良い働きをもたらしている可能性もあるのではないか、と推測しているという。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到