著者のコラム一覧
南渕明宏昭和医科大教授

心臓血管外科専門医、医学博士。

ミスをした時、詭弁を弄する医師はなにを守ろうとしているのか

公開日: 更新日:

 医療事故を調査する機関があります。良い制度です。ただしその良さが、医者の間でもよく理解されていません。

 調査は「犯人を見つけて罰する」ことが目的ではなく、①何が起こったのかを解明する②改善策を具体的に提起する、のが目的です。

 JR西日本の尼崎脱線事故以来、西武鉄道などを除く多くの鉄道会社は「ミス=懲罰」の風習を絶った、と報道されています。

 ところが、この医療事故調査の制度には大きな欠陥があります。病院長が要請しないと事案として取り上げてくれないのです! 先日、公共放送がこの制度を取り上げ「患者側からの要請で取り上げる道もある」(クローズアップ現代)と報道していましたが、これは誤報です。私自身が電話で「病院長の依頼でなければ受け付けられないこと」を確認しましたから。

 官尊民卑に男尊女卑、古風な価値観に凝り固まった絶滅すべき思想の医者は、まだまだ生き残っています。「自分の行動はすべて正義! 過ちなどない!」(「三国志演義」『呂伯屠殺』)の曹操が思い起こされます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  1. 6

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  2. 7

    投手大谷の「オープナー起用」は逆効果…ド軍ブルペンの負担は軽減どころか増す一方

  3. 8

    "花田家と再婚"は幸せになれる? 元テレ東・福田典子アナに花田優一との熱愛報道も…恋多き一族の因縁

  4. 9

    ソシエダ久保建英にポルトガル名門への移籍報道…“あり得ない振る舞い”に欧州ザワつく

  5. 10

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”