二度とあの頭痛は嫌だ…上柳昌彦さん下垂体腺腫卒中の手術を振り返る

公開日: 更新日:

普通にしゃべれることはすごいことだと再認識

 そんな状態の中でも一番心配だったのは「声」です。放送に乗せられる声が出せるのか、気になって最初に新聞を読んだときは1行でハァハァして、まったく読めませんでした。

 番組プロデューサーと電話しても長くしゃべれないし、「困ったな~」と思っていました。徐々に声が出るようになってきても、入院生活での体力の衰えは想像以上でした。

 10月下旬、17日間の入院を経て退院しましたが、現場復帰はそれから5日後でした。すぐ復帰したい気持ちはあったものの、自分でも90分番組を1人でしゃべり切れるのか不安だったのです。それで復帰前の2日間、別の場所で予行演習したんですよ。深夜1時15分に起床して、2時半に局に着き、4時半から声を出すという通常ルーティンに体を慣れさせたのです。それが体力的にも精神的にもいい助走になりました。つくづく、普通にしゃべれることはすごいことでありがたいことなのだと再認識しました。

 早朝のラジオには入院している方からのメールがよく届きます。尊敬する大沢悠里さん(ラジオパーソナリティー)が、「病気療養中の方々にも……」と必ずおっしゃっているのを聞いて、自分もよく言っていたのですが、今回、その言葉の重みを初めて知りました。

 自分も朝、ラジオをつけましたもん。そうすると自分の代わりに同僚たちがしゃべってくれていて、それがまたうれしかった。彼らのことは「アベンジャーズ」と呼んでいます(笑)。

 じつはこれが初めての入院ではなく、60歳で前立腺がんの摘出手術もしています。初期のがんでダヴィンチ(手術支援ロボット)を使った傷の少ない手術でしたが、その後、尿道狭窄になったりして大変でした。その騒動が終わって5年が過ぎ、「やれやれ、もう大丈夫だな」と思っていたら、今度は下垂体。これからも何があるかわかりません。

 不具合があったら早めに病院で診てもらうこと、そして病気がわかったら医師とよく話すこと。

 今はいろいろな治療法がありますから、セカンドオピニオンも受けるべきだと思います。「休んだら迷惑をかける」と思って無理をするより、相談することが大事かな。案外みんな助けてくれますから。

 最後に、先生に「どうしたら病気にならなくて済みますか?」と聞いたら、「質の良い睡眠とバランスの良い栄養、ストレスをためない生活」ですって。

 つまり、なるときはなるんだなと思いました(笑)。 (聞き手=松永詠美子)

▽上柳昌彦(うえやなぎ・まさひこ)1957年、大阪府出身。81年、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。多くのラジオ番組を担当し、2017年に退社。現在はフリーで活躍中。「上柳昌彦 あさぼらけ」「笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ」といったラジオ番組を中心にナレーションや司会、番組ブログ「ラジオの人」の執筆など、幅広く活動している。

■本コラム待望の書籍化!愉快な病人たち(講談社 税込み1540円)好評発売中!

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    嶋基宏は一時期ノイローゼ状態になっていた...心ここにあらずで、魂が抜けた状態に

  4. 4

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 5

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  1. 6

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  2. 7

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 8

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 9

    居酒屋倒産が過去最多ペース 客離れの背景にある「飲み放題5000円」の壁

  5. 10

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に