どんなプロレス技よりも…女子プロレスラーの井上京子さん胆石症の激痛を語る

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手術で胆石と胆のうを摘出

 手術の前日まで仕事しましたよ。入院の前日は台湾で試合があり、帰国して即入院したけれど、その日はテレビのバラエティー番組の収録があったので、外出届を出して収録現場へ行って、翌日に手術という超強行スケジュールでした。収録中にあの痛みが来たら大変だと思って、「お願いだから絶対に痛みが来ませんように」と祈りながらの収録でした。

 手術は腹腔鏡で行われ、胆石と胆のうを取り出しました。

「全身麻酔になんか負けないぞ」と思っていたのに、スリーカウントぐらいで記憶がなくなり、「終わりましたよ」の声で気が付いたら、お股に管がつながってた(笑)。石は巨大すぎて腹腔鏡の穴からは出せなかったようで、「おへそから取り出しました」とのことでした。あれは私のお腹の中で育ったいわば天然石。55年間の脂質の結晶です(笑)。

 手術までの2週間は一切の脂物はダメだと言われまして、大好きなウナギも台湾のごちそうも何も食べませんでした。小さい頃から肉ばっかり食べてきた人生です。55年生きてきて、初の“脂抜き生活”でした。えらいもので、たった2週間で10キロぐらい体重が落ちました。もちろんすぐ元に戻りましたけど(笑)。

 入院は1週間ぐらいでした。退院した翌日だけ休ませてもらって、すぐ仕事復帰しました。

 食事は何も気にしていません。同じように胆のうを取った先輩から「お腹が下りやすくなるよ」と言われましたけど、私は今のところ大丈夫です。

 つくづく思うのは、健康診断に行っておいてよかったということです。胆石があるとわかっていたから、救急外来でもそう説明できて、最短で原因が特定できました。

 もし健診に行ってなくて、思い当たるものが何もなかったら、もっといろいろな検査をしなければならなかったと思います。

 だから、毎年お誕生月の4月に健診を受けようと決めたんですよ。ところが1年たって今年の4月、海外興行などで忙しくて、さっそく行けていません(笑)。5月中には行ってきます。

 3~4年前は、2年連続でアキレス腱を切って入院しましたけど、年をとってからですよ、こんなに病院に行くようになったのは。昔は骨折なんか大きなケガのうちに入らなかったですからね。

 痛いことなんて数えきれないほど経験してきました。でも私は、生まれた瞬間からプロレスラーになると決めていたのです。誰かに憧れてとか、どこかで試合を見てというきっかけはありません。小さい時からほかのことには見向きもせず、プロレス一筋。プロレスがほかの格闘技と違うのは、相手の技をよけたり防御したりしないこと。いかに相手の技をカッコよく受けるかがひとつの美学で、勝てばいいっていうものじゃないところが好きなのかな。何年やっても正解がないから、ずっと続けているんです。

 そんなプロレス人生の危機が、じつは現在進行形で訪れています。トレードマークのフェースペイントをするときに大事な道具のひとつ、三菱鉛筆のポスカの黄色の蛍光色が発売終了になってしまったんです。先日、それをSNSに投稿したら、ファンの方が探して送ってくださって本当にありがたかった。おかげさまで、井上京子の選手生命が少し延びました(笑)。 

(聞き手=松永詠美子)

▽井上京子(いのうえ・きょうこ) 1969年、山形県出身。88年から「全日本女子プロレス」所属のレスラーとして活躍し、その後も女子プロレスを牽引。2011年に新団体「ワールド女子プロレス・ディアナ」を設立。現役で活躍するとともに、居酒屋「あかゆ」(東京・武蔵小山)を経営。6月21日に「井上京子凱旋興行 山形南陽大会」(山形県シェルターなんようホール)が開催される。

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