「移動」の訓練を担う理学療法士にコミュニケーションも欠かせないのはなぜか
病気やケガの後遺症で、歩けなくなってしまった患者さんは、精神的にネガティブになっているケースが少なくありません。回復には精神面の安定とリハビリに取り組むやる気が最も大切ですから、あの手この手で患者さんを乗せていくのが理学療法士にとって重要な仕事です。
カメラが趣味の患者さんに、リハビリ中の写真撮影を勧めて「目的」を持ってもらうことで、自ら積極的に屋外リハビリに取り組むようになり、みるみる回復された患者さんもいらっしゃいます。失ってしまった機能を取り戻し、人間力を回復させるためにはコミュニケーションが欠かせないのです。セラピストは毎日会いたいと思ってもらえることが重要です。
このように、患者さんが再び歩けるようになるにはどうしたらいいかを考え、そのためには体のどこの筋肉をどのように動かせばいいのか、どんなリハビリに取り組めばいいのかについて専門的に取り組むのが理学療法士の仕事です。当院では、歩かせるために多機能の下肢装具を活用したり、電気刺激をしたり、マシンを使った筋力トレーニングも積極的に実施します。次回、詳しくお話しします。
◆酒向正春氏の著書「筋肉革命95 何歳からでも実現できる95歳で当たり前に歩いて楽しむ人生を」(1650円)日刊現代から発売!