著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(3)高額なAI支援の診断と治療の多くは公的保険適用外

公開日: 更新日:

 海外では、眼科、皮膚科、病理診断などの診断支援システムが次々と承認され、使われていますし、放射線、外科手術、抗がん剤などの治療計画を支援するシステムも導入が始まっています。それらを使えば、いままでよりも効率的で効果的な診断や治療が可能になるはずです。

 日本でも、放射線治療計画や歯科のインプラント治療計画などを支援するSaMDが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認を受けています。しかし保険適用にはなっていません。

 PMDAは審査と承認(厳密に言えばPMDAの審査結果を受けて厚生労働省が承認する)までを行いますが、保険点数を決めるのは「中医協(中央社会保険医療協議会)」です。しかし中医協は、医療費を増やす可能性があるものに対して慎重です。

 そのため承認されているSaMDの多くが、保険点数を受けられないままです。

 日本の1人当たりの名目GDPは、OECDのなかで22位、世界でみると38位。経済的には中流国なのですから、医療に好きなだけ金をかけられるわけではありません。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも