(3)食品添加物への消極姿勢が社会的・経済的損失を生む
保存料をまったく使わない食品は、より多くの食品ロスを生む可能性がある。環境省が昨年6月に公表した「我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和4年度版)」によると、約472万トン(事業系・家庭系共に236万トン)もある。消費者庁の調査では未開封・未使用の食材・食品を廃棄した理由として「消費・賞味期限切れ」が49.4%、「傷んでしまった」が49.6%、「使いきれなかった」が24.4%、「購入またはもらった時点で傷んでいた」が10.2%と報告されている。複数回答のため総計は100%を超えるが、保存料の使い方次第で保存期間を延長できる可能性がある。
また、保存料を使用しない食品供給は、追加的温度管理を行うことからスーパーなどに経済的負担となる。消費者側も食品の購買単価の上昇という負担を生むことになるのも忘れてはいけない。 =つづく