(1)発酵性食物繊維はわずか3グラムで「腸活」になる
そこで先日発足した「発酵性食物繊維普及プロジェクト」では、現在摂取している食物繊維にプラスして、「発酵性食物繊維」を1日3グラム以上摂取することを提唱している。1日にわずか3グラムの「発酵性食物繊維」を取れば、腸活になるというのだ。では、この“発酵性”食物繊維とは何だろうか。発酵食品とは違うのか? 日本食物繊維学会理事長で大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授に聞いてみた。
「発酵食品は、文字通り発酵した食品です。発酵とは菌がヒトにとっていいものを産生することで、悪いものを出すのが腐敗です。発酵食品の目的は、おいしくする、風味をよくする、保存のため、そして乳酸菌などの善玉菌を口から取り入れるためです」
対して発酵性食物繊維は、善玉菌のエサになる食物繊維のことを指す。食物繊維すべてが善玉菌のエサになるわけではないのは、ご存じの方も多いだろう。
「発酵を行う善玉菌は、発酵性食物繊維が好物です。腐敗を行う悪玉菌も発酵性食物繊維を食べますが、どちらかというとタンパク質などのほうが好物で、競争した場合は善玉菌が勝ちます」