歩行リハビリで優れた下肢装具と理学療法士が重要なのはなぜか
この患者さんは下肢装具を使用したほうがいいのか、どんなタイプの装具が適切なのかといった見極めは、理学療法士とリハビリ医が行います。そうした選定を正確にできないリハビリ医は、リハビリ医ではありません。
リハビリ医は装具による治療を専門とする職業であり、治療用装具製作指示装着証明書を作成しなくてはなりません。そのため、日頃から歩行リハビリを担当する理学療法士に任せっきりで装具を作製するリハビリ専門病院は注意が必要です。下肢装具の不具合はリハビリ医の責任なのです。信頼できるリハビリ医はいつも洗練された療法士と義肢装具士を育成しています。
■履かせて歩かせることができる技術が重要
一方、理学療法士は、下肢装具の選定だけでなく、患者さんがきちんと歩けるように装具を“使いこなす”実力を備えていなければなりません。優秀な義肢装具士にどれだけ優れた下肢装具を作ってもらったとしても、きちんと患者さんに履かせて歩かせることができる技術を持っている理学療法士がいなければ“宝の持ち腐れ”になってしまうのです。