「アッカーマンシア菌」とはどんな細菌なのか? 次世代プロバイオティクスとして注目
この細菌が日本でなく欧州でサプリメントとして先に認可されたのは、アッカーマンシア菌が欧米人の腸に多い菌で、とくに欧州の人の保有率が高いことが関係しているといわれている。ちなみに日本人では1%以上保有している人は1割にも満たないとされている。
アッカーマンシア菌は主に「やせ菌」として注目を集めているが、がん治療についての研究も進んでいる。
「免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は、免疫細胞ががん細胞を攻撃するのを手助けする薬です。しかし、誰に効くのかを予測するのが課題でした。そこで注目されたのが腸内マイクロバイオータで、とくにアッカーマンシア菌に期待がかかっています」
実際、338人の進行非小細胞肺がん患者を対象に、腸内のアッカーマンシア菌の有無および量と、ICI治療効果との関連を検証したところ、アッカーマンシア菌を持つ患者はそうでない患者よりも客観的奏効率、全生存期間が有意に高いことが明らかになった。
ただし、その量が多すぎると逆効果となったという。また、ICI治療前60日以内の抗生物質の使用は生存率の低下と関連し、腸内細菌の多様性も減少したことも明らかになった。