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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

タレント歩りえこさんは手術費326万円…がん治療の自己負担額を抑えるコツ

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 前述した通り世帯で合算できますから、夫婦や子供がそれぞれの病気で手術をはじめ高額な治療を受けたときはとても助かります。その場合、申請することは成人ならだれでもできますが、所得税率が高い人の方がより還付が増えるのでオトクです。さらに多数該当になったら、現役世代で前述の年収なら4万4400円まで負担が下がります。

 ただし高額療養費制度が対象とする治療は保険適用の治療で、自由診療は対象外です。入院する場合、差額ベッド代もアウトですから、個室を希望すると全額自己負担になります。東大病院の場合、個室料は1日約3万6000円が普通で、1カ月入院すると100万円超とかなり重い。

 高額療養費制度でカバーできない分は民間の医療保険がん保険で対応するのが医療費節約するコツです。自由診療となる先進医療や入院は個室でという方は、先進医療に対応する保険や入院時の日額給付金を手厚くするとよいでしょう。

 そうすると、保険料はその分割高ですから、治療は国の保険適用のもので十分という方なら、そんなに手厚い民間の医療保険などは必要ないかもしれません。毎日患者さんと向き合っていると、医療保険との兼ね合いで注文を受けることもあります。放射線治療は通院が基本ですが、一部の患者さんは「入院させてほしい」と。古いがん保険だと、入院が給付条件になるケースがあるのです。民間の医療保険はどんなプランでも、給付条件をよくチェックすることが大切です。

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