著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任、薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

がん化学治療法は化学物質が持つ毒性を利用してがん細胞の増殖を抑える

公開日: 更新日:

 がん化学療法に用いられるクスリのことを「抗がん剤」といいますが、抗がん剤は殺細胞作用を有するものと、がん細胞特有の増殖シグナル(信号)をターゲットにしたものに大別されます。

 まずは、殺細胞作用を有するものについてお話しします。こちらは、おそらくみなさんが抗がん剤としてイメージしているものでしょう。がん細胞に限ったことではありませんが、われわれの体を構成している細胞が増殖するときには、遺伝子(DNA)の複製が行われます。殺細胞作用を有するクスリは、このDNAの複製を抑制することでがん細胞の増殖を抑え、アポトーシスと呼ばれる細胞の自死を起こさせる効果があるのです。

 殺細胞作用を有するクスリにもたくさんの種類がありますが、それぞれDNA複製のどの段階に作用するのかが違っているので、複数のクスリが組み合わされるケースもよくみられます。

 前回、正常な細胞とがん細胞の違いは、細胞増殖のブレーキが正常か壊れているかが主なものである、とお話ししました。多くの方は「抗がん剤は副作用が多い」というイメージを抱いていて、実際その通りなのですが、その理由がここにあります。次回、詳しくお話しします。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

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