(5)災害時に見逃されがちな「目」と「皮膚」のトラブル

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 阪神・淡路大震災で医療活動を行った経験から、情報の共有化と指揮系統の一元化の重要性を実感したと小倉教授は言います。

「当時、フランスの医療救援隊と同じフロアで寝泊まりしていたのですが、行政上の手続きが遅れ、フランス隊は救援活動ができませんでした。せっかくの医療資源が生かされなかった典型例です」

 その後の大災害でも医療支援が無駄になった例がありましたが、その解決策として「医療情報のIT化やマイナ保険証の活用で情報の孤立化をなくすこと」が重要と小倉教授は指摘します。

 また、災害時には健康な人でもさまざまな不調に悩まされます。エコノミークラス症候群、食中毒、熱中症、胃腸炎などはよく知られていますが、見逃されがちなのが目や皮膚のトラブルです。たとえば、2018年の西日本豪雨では、多くの被災者が結膜炎になったことが岡山県眼科医会により報告されています。井上賢治・日本眼科医会常任理事はこう言います。

「結膜炎以外にも、角膜炎も起こりやすく、場合によっては視力が大きく低下してしまいます。被災地には多量の土砂や汚泥が残っており、乾燥して大量の土ぼこりが発生します。それが目に入り、また汚れた手で目をこするため細菌感染しやすくなるのです。点眼薬の使いまわしもリスクを高めるので避けてください」

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