(2)見えないAEDの壁…「設置してある」だけでは間に合わない
もし、あれが心停止だったら──。私は何かできたのか?
翌日、その駅ビルに電話をかけて「AEDはどこにありますか?」と確認しました。返ってきた答えは、「地下の警備室に1台あります。必要なときは売り場の従業員に伝えてください」。
正直、愕然としました。広い施設で従業員を探し、警備室に連絡し、AEDを運んでくる。それで本当に間に合うのでしょうか。
心肺停止では、電気ショック開始が1分遅れるごとに生存率が7~10%低下するといわれています。
救急車を待つだけではなく、その場に居合わせた人が胸骨圧迫とAEDを使えるかどうかが、命を左右します。
千葉市立海浜病院救急科統括部長であり、日本AED財団にも関わる本間洋輔先生はこう話します。
「AEDは“設置してある”だけでは意味がありません。誰でもすぐに分かり、どこにでもすぐに持っていける場所に置く。表示の工夫なども含めて“使える”体制にし、使える人を増やすことが重要です。施設側の工夫で救える命は確実に増えます」


















