予後が悪い「進行膵臓がん」…世界初の治療で延命アップを狙う

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「そこでガイドラインではより高い線量をあてることが推奨されています。陽子線治療では、正常組織へのダメージを抑えられるとはいえ、線量を上げると周囲正常組織への障害が増加する可能性があります。線量を上げず、治療効果を高めるにはどうすればいいか? 行き着いたのが、抗がん剤、温熱療法、高気圧酸素療法を、陽子線治療に組み合わせる方法でした」

 温熱療法は、別名「ハイパーサーミア」と呼ばれる。電磁波や高周波などのエネルギーを体外からあてて、がんのある部分の温度を高くする。細胞は熱に弱く、正常組織では血管が拡張して温度を下げるが、がん細胞では血管が拡張しにくいので温度が上がり、熱で死滅する。さらに抗がん剤と併用するとがんの血流増加で薬剤ががんに取り込まれやすくなり、放射線との併用では、酸素供給量の増加で、放射線の効果が高まる。

 高気圧酸素療法は、専用装置の中で酸素吸入して、血中酸素濃度を高める治療法だ。温熱療法と同様、抗がん剤、放射線との併用で、それぞれの効果が高まることが報告されている。

「陽子線と高気圧酸素療法は同日に、また抗がん剤と温熱療法は同日に行います。治療のタイミングで、4つの治療法を1日に全て行う日もあれば、陽子線と高気圧酸素療法だけを同日に行う日もあります。抗がん剤は、その薬効でがんを叩くというよりも、陽子線に対する増感作用(陽子線の効果を高める作用)を期待して使用します」

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