予後が悪い「進行膵臓がん」…世界初の治療で延命アップを狙う

公開日: 更新日:

「そこでガイドラインではより高い線量をあてることが推奨されています。陽子線治療では、正常組織へのダメージを抑えられるとはいえ、線量を上げると周囲正常組織への障害が増加する可能性があります。線量を上げず、治療効果を高めるにはどうすればいいか? 行き着いたのが、抗がん剤、温熱療法、高気圧酸素療法を、陽子線治療に組み合わせる方法でした」

 温熱療法は、別名「ハイパーサーミア」と呼ばれる。電磁波や高周波などのエネルギーを体外からあてて、がんのある部分の温度を高くする。細胞は熱に弱く、正常組織では血管が拡張して温度を下げるが、がん細胞では血管が拡張しにくいので温度が上がり、熱で死滅する。さらに抗がん剤と併用するとがんの血流増加で薬剤ががんに取り込まれやすくなり、放射線との併用では、酸素供給量の増加で、放射線の効果が高まる。

 高気圧酸素療法は、専用装置の中で酸素吸入して、血中酸素濃度を高める治療法だ。温熱療法と同様、抗がん剤、放射線との併用で、それぞれの効果が高まることが報告されている。

「陽子線と高気圧酸素療法は同日に、また抗がん剤と温熱療法は同日に行います。治療のタイミングで、4つの治療法を1日に全て行う日もあれば、陽子線と高気圧酸素療法だけを同日に行う日もあります。抗がん剤は、その薬効でがんを叩くというよりも、陽子線に対する増感作用(陽子線の効果を高める作用)を期待して使用します」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    『スマスロ ミリオンゴッド』導入から4カ月、目立つ空き台の裏でファンが期待するホールの対応

  2. 2

    U18高校代表16人の全進路が判明! プロ志望7人、早大&青学だけで計4人、社会人は2人

  3. 3

    大谷翔平「古巣エンゼルス復帰」の仰天情報! エ軍球団売却とド軍オーナー不祥事が招く急展開

  4. 4

    テレ東「日本3大吞み食べドラマ」でも栗山千明「晩酌の流儀」に注目するワケ

  5. 5

    大谷翔平は「今季終了」か…現地で飛び交う「ロスで手術中」の怪情報とその根拠

  1. 6

    花博ならぬ高市首相PR動画が大炎上! 内閣広報予算10倍超「72億円」要求への猛反発も止まらない

  2. 7

    「男系」どころか「フカ系」? 神武天皇を持ち出す"皇統2600年論"と神話の奇妙な関係

  3. 8

    東京の下町3兄弟「足立・葛飾・江戸川」安さだけじゃない意外な魅力 問題視された治安は今や改善

  4. 9

    水前寺清子(2)「私にとって星野哲郎先生は人生の師です」

  5. 10

    岸田元首相も“激怒”! 高市首相の内閣改造めぐる“パワハラ”アンケートに自民党内から非難轟々