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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

身寄りのない高齢者をどう支えるか…正解はひとつではない

公開日: 更新日:

 もちろん善意で支えている方も多いのですが、特定の個人に頼り切ることにはリスクがあります。本当に患者さんの生活や財産が守られているのか、慎重に見極める必要があります。

 一方で、「人生の最後くらい楽しく過ごしたい」と、お酒や夜のお店に通い、若い女性にお金を使っている高齢の患者さんもいます。飲みに行けるだけの元気があり、お金を使うことで気持ちが明るくなり、ストレスなく過ごせている面もあります。ですが周囲からは、「だまされているのではないか」と心配する声が上がることもあります。

 確かに、お金をあの世に持っていくことはできません。自分のために楽しく使うことも、ひとつの生き方でしょう。

 ただ、ある程度の資産がある場合は、そのお金を本人のために適切に使い、守っていく仕組みも必要です。そのため私たちは、療養生活の中で「成年後見制度」の利用を勧めることがあります。成年後見制度については、前回の本欄でも触れた通りです。

 もっとも患者さん自身にしてみれば、自分の残された時間がどれくらいなのかはわかりません。だからこそ、お金の使い方や療養生活への考え方も、人それぞれ違います。

 正解がひとつではないからこそ、私たちは「これは必要だと思います」「こういう選択をされる方もいますよ」と、その方の価値観や状態を丁寧にうかがいながら、できるだけバランスよく自宅で暮らしていけるよう、柔軟に助言を続けています。

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