身寄りのない高齢者をどう支えるか…正解はひとつではない
もちろん善意で支えている方も多いのですが、特定の個人に頼り切ることにはリスクがあります。本当に患者さんの生活や財産が守られているのか、慎重に見極める必要があります。
一方で、「人生の最後くらい楽しく過ごしたい」と、お酒や夜のお店に通い、若い女性にお金を使っている高齢の患者さんもいます。飲みに行けるだけの元気があり、お金を使うことで気持ちが明るくなり、ストレスなく過ごせている面もあります。ですが周囲からは、「だまされているのではないか」と心配する声が上がることもあります。
確かに、お金をあの世に持っていくことはできません。自分のために楽しく使うことも、ひとつの生き方でしょう。
ただ、ある程度の資産がある場合は、そのお金を本人のために適切に使い、守っていく仕組みも必要です。そのため私たちは、療養生活の中で「成年後見制度」の利用を勧めることがあります。成年後見制度については、前回の本欄でも触れた通りです。
もっとも患者さん自身にしてみれば、自分の残された時間がどれくらいなのかはわかりません。だからこそ、お金の使い方や療養生活への考え方も、人それぞれ違います。
正解がひとつではないからこそ、私たちは「これは必要だと思います」「こういう選択をされる方もいますよ」と、その方の価値観や状態を丁寧にうかがいながら、できるだけバランスよく自宅で暮らしていけるよう、柔軟に助言を続けています。



















