著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

一時的な入院で筋力が著しく低下した90歳…自活生活に戻れるか?

公開日: 更新日:

 最近、低ナトリウム血症と頭部外傷を患う90歳になる方が私たちの診療所で在宅医療を開始されました。お一人暮らし女性です。

 低ナトリウム血症とは、なんらかの原因で体内の水分量とナトリウム量のバランスが崩れ、血液中のナトリウム濃度が低くなる病気です。

 3つの場合が考えられていて、まずは、下痢や嘔吐、多量に汗をかいたときなどに水分を補給しようと水を多量に摂取したときに起こるもの。

 次に、心不全、肝硬変、ネフローゼ症候群、腎不全などの疾患からナトリウムに比較して体内の水分量が過剰になることで生じるもの。

 そして、ホルモン異常などで体液量はほぼ正常なのにみられる低ナトリウム血症。高齢者では、水分とナトリウムの調整機能が低下して起こすケースもよくあります。

 低ナトリウム血症は初期ではほとんどが無症状ですが、ナトリウム濃度が低下するにつれ、軽い疲労感、反応の鈍さ、錯乱、頭痛や嘔吐、食欲不振が生じ、やがては筋肉のひきつりやけいれんの発作が起きるようになります。その女性も、低ナトリウム血症でふらつき、転倒。頭部を打撲し、病院へ救急搬送され、入院となりました。それによって体を動かす時間が減り、筋力が著しく低下。10メートルを超える歩行は困難となりました。ADL(日常生活動作)の著しい退化も招いていました。ただ、お気持ちは大変元気。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃