(1)「単に太っているだけ」と思うのは大間違い
内臓脂肪が増えると、血糖値や血圧の調節が乱れ、動脈硬化が進みます。心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まります。放置すれば合併症はどんどん悪化していく。肥満症を病気と位置づけるのは、そういう医学的な根拠があるからです。
「食べ過ぎ・動かな過ぎの自己管理の問題だ」と捉えている人は多いですが、それは正確ではありません。食欲や代謝を調節するホルモンの働きが深く関わっており、意志の力だけで解決できるものではないことが、医学的にわかっています。
重要なのは、肥満症は治療によって改善できる病気だということです。適切な治療を受けると、体重が減るだけでなく、血糖値や血圧が改善し、服用している薬を減らせる患者さんも少なくありません。
ただし残念なことに、日本では「肥満症」という言葉の認知度はまだ1割台にとどまるという調査結果があります。「太っているだけ」と思い込んで受診しない人が多い現状を、私はとても危惧しています。これからの季節、体を露出する機会が増え、「痩せなきゃ」と思う人も多いでしょう。でもその前に、「自分は肥満症なのかどうか」をぜひ一度、考えてみてほしいのです。=つづく
▽井内裕之医師 「医療法人社団桜令会 日本橋れいわ内科」理事長。糖尿病・高血圧・総合内科専門医。肥満症治療の医療機関紹介サイト「オビなび」の監修なども行う。


















