(3)大量の治療薬で「統合失調症」…異常行動が多発した
体温調節が不能になり、冬でも水風呂を浴びて裸のまま外に飛び出した。両親はそのたびに娘を押さえつけ毛布を巻いて車で病院に運び、抗精神病薬の点滴を受けさせた。病室内で猿のようにぴょんぴょん跳び回ったが、点滴をすると静かになった。しかし、しばらくするとまたパニックになり、点滴を受けに行く間隔がだんだん短くなった。病院に向かう車のドアを開けて飛び降りようとしたこともあった。娘はこの時期の自身の行動を覚えていない。
精神科医で救急医でもある埼玉医科大学の上條吉人特任教授(臨床中毒学)は、「体がむずむずするアカシジアは非常につらくて、つらさから逃れたくて自殺する人もいる」と説明する。
娘は向精神薬の減断薬を行っていた精神科医の診療を受けた。精神科医は「抗精神病薬と抗パーキンソン病薬による副作用。薬剤性の副作用を統合失調症と強弁している」と指摘し、地元の協力医を紹介してくれて減薬を始めた。2カ月で体重が10キロ減り、異常行動はほぼなくなった。
協力医は「来院したころの異常な興奮は副作用なのか症状なのか区別がつかなかった。徐々に減薬して抗精神病薬がゼロになって統合失調症様の症状はなくなったので、副作用だったと確信できた」と取材に答えた。


















