(5)精神疾患がないのに強制入院…金銭トラブルのある家族の同意で

公開日: 更新日:

 次男は「兄と父がお金のことでもめて関係が悪化したので、兄夫婦が過剰に伝えて入院させた」と病院に説明した。妻は歯科医である長男に「お父さんは失禁するようになった。もう限界」と説得した。長男は「分かった」と言って退院手続きをした。37日で退院。妻らが迎えに行くと、江口さんは自力で歩くことができなかった。

 江口さんは「不当な拘束をして病気でない人を病人に仕立てている。法律の悪用だ」と憤った。病院の医療保護入院などの措置は、身体の自由と権利を侵害する不法行為だとして、石川医師、女性医師、院長らに損害賠償を求め提訴。2025年5月、宇都宮地裁は石川医師、女性医師が、検査もせず精神疾患があると診断して入院決定をし、向精神薬の投与をしたことは、人身の自由を侵害したと過失認定。院長も管理者として連帯して不法行為があると認定して病院側に311万円の支払いを命じた。

(ジャーナリスト・和田明美)

◆医療保護入院 家族の同意と精神保健指定医1人の診断で強制入院にするため、家族や医師による恣意的な入院も可能。日本弁護士連合会は、本人の意思決定の欠如や長期・無期限の入院を可能にしている実態を批判。制度の抜本的な見直しや廃止を求め、権利擁護体制の整備を訴えている。

【連載】実録 クスリ漬け収容 精神医療後進国にっぽん

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    趣里が7月期テレ朝ドラマで出産後初主演 続く水谷家との「蜜月」で三山凌輝にも復活説

  2. 2

    萩本欽一〈24〉相方の坂上二郎さんとは「遊ばない・食事しない・夢を語らない」を徹底した事情

  3. 3

    ソフトバンク「佐々木麟太郎シフト」着々…同ポジションの中村晃引退、山川穂高二軍塩漬けが伏線

  4. 4

    佐藤二朗vs橋本愛騒動が直撃! フジドラマ“出たくない俳優”&“見たくない視聴者”の二重苦

  5. 5

    中村晃は引退会見で「幼稚」と…長谷川勇也、松田宣浩、和田毅が呈していたソフトB若手への苦言

  1. 6

    NHK3年連続赤字で番組制作費82億円カット…タモリもダーウィンも華大も豊臣もピンチ!

  2. 7

    ソフトB関係者を“メロつかせた”佐々木麟太郎の褒め殺し…「ウチで決まりと思っちゃう」のノロケ声も

  3. 8

    萩本欽一〈25〉「車椅子でも絶対に明治座に出す」脳梗塞で左半身麻痺の坂上二郎さんを奮い立たせたひと言

  4. 9

    ソフトバンク中村晃が現役引退へ…当面の仕事は「幼稚な二軍選手」の根性叩き直し

  5. 10

    本田圭佑がサッカーW杯解説で「独り勝ち」 テレビ&CM争奪戦ボッ発で“ワリを食った”あの人