(3)夜のホルモンが健康寿命を左右する…糖尿病と体内時計
病気と老化、という視点に立つと、糖尿病との関係が注目されている。慢性的な高血糖状態が、生物学的老化(biological aging)を加速させる可能性を示すエビデンスが蓄積しているからだ。
ハーバード大学医学部&ソルボンヌ大学医学部客員教授の根来秀行医師が言う。
「かつて糖尿病は『インスリンが不足する病気』と考えられていました。しかし今は、血糖値はインスリンだけでなく、GLP-1(グルカゴン様ペプチド1)、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)、アミリン、グルカゴンなど、多くのホルモンが互いに連携して調節していることが分かっています」
このため糖尿病治療は、「インスリン中心」から「ホルモンネットワーク全体を整える医療」へと転換しつつある。「糖尿病は血糖値だけの病気ではなく、体全体のホルモンバランスが崩れる病気」という考え方が広がってきたからだ。近年の糖尿病研究では、複数のホルモンを同時に調節する治療や、体重減少だけでなく心臓や腎臓を守る効果を重視した治療法の開発が進んでいる。


















