(3)夜のホルモンが健康寿命を左右する…糖尿病と体内時計
実際、睡眠不足では食欲を抑えるレプチンが減少し、食欲を高めるグレリンが増えるため、食べ過ぎや肥満につながりやすい。ホルモンの乱れは慢性的な炎症や酸化ストレスを引き起こし、生物学的老化を早める一因になると考えられている。
近年は、薬の開発だけでなく、睡眠、食事、運動のタイミングを治療に組み合わせる「時間医学(クロノメディスン)」の研究も進んでいる。体内時計を整えることが薬の効果を高め、生活習慣病の予防や治療成績の向上につながる可能性も期待されている。
具体的には、朝起きたらすぐ太陽の光を浴び、1時間以内に朝食をしっかり食べる。3食バランス良いタイミングでとり、夜は強い光を避け、できるだけ同じ時間に眠る。こうした生活習慣がホルモンの働きを引き出し、糖尿病や老化を防ぐ第一歩となるのだ。
夜の人体は静かに眠っているように見える。しかし体内では、体内時計という指揮者のもと、数多くのホルモンが働き続けている。その見えないリズムこそが、健康寿命を左右するカギなのである。 =つづく



















