カルテからどこまで真実がわかるのか…記録には限界がある
とはいうものの、記録やコメントだけでは、情報は不十分です。患者が重症であっちもこっちも問題が起こっている場合、どれが原因なのか、どれがその結果なのか、あとで検証しようにも難しい場合がほとんどです。
昭和の熱血スポコンマンガ「巨人の星」では、左門豊作はスコアブックを見ただけで星飛雄馬の弱点を見抜いてしまいます。現実ではそんなことはあり得ません。
実際のその現場でも、何が何だかわからないのに、後からその記録を見ただけで、何だったのかわかるはずがありません。記録なんてごくごく一部の事実しか伝えないのです。
「過去の出来事を正確に知ることなど不可能だ。過去はこういうことだったのではないか? と与えられた歴史事実と思われる事柄から現代の人々があれやこれやと問いかけを行い、何度も柔軟に解釈を更新し続けること、これが歴史を学ぶということだ」
こんなことを歴史学者E・H・カーは「歴史とは何か」(1961年)で述べています。この本は世界中で今なお大学生の必読書とされている大名著です。文庫本で和訳もあります。10回ほど読めば少しは理解できると思います。


















