田中幾太郎
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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

教諭体制は日本一も…“国公立の雄”筑波大付属小の落とし穴

公開日: 更新日:

 他の教科も同様に、授業にさまざまな工夫が盛り込まれているという。最高級の授業を受けられるという意味でも、筑附小に入学することは前述の通り、プラチナカードをゲットするようなものなのだ。しかし、そこには落とし穴もある。筑附中への内部進学の際、選抜試験があり、2割近くの生徒がエスカレーター式だと思っていたコースから振り落とされるのである。

「私の親友だった同級生も、それほど成績が悪かったわけでもないのに、筑附中へ進めなかったんです。区立の中学に入った彼はグレてしまい、次第に疎遠になってしまった。その後、よからぬ噂も耳にしました。こうして内部進学できず、人生を踏み外すケースは少なくないと聞きます」(OB)

 その結果、エスカレーターコースに残るのは優等生タイプばかり。「誰もが内部進学を求めるあまり、たくましさに欠ける生徒が目立ち、小粒感は否めない」と筑附小関係者は嘆く。

 過去には鳩山一郎、宮澤喜一、福田康夫(中退)と3人の首相を輩出。財界でも元鹿島建設会長の石川六郎、元三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)頭取の畔柳信雄をはじめ、重鎮が出身者にずらっと並ぶ。だが、近年はこうした大物はほとんどいなくなってしまった。多様性を生み出しにくい現在の体制が続けば、名門校の地位も危うい。(敬称略)

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