奥野修司
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奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

形が均一で美しい野菜ほど農薬が多い…化学肥料でメタボに

公開日: 更新日:

 最新の農薬には神経毒性という見えない毒性があると書いたが、そんな怖い農薬をどうして使うのだろうか。農家だって好き好んで使うわけではない。形が均一で美しい野菜を消費者が求めるからである。

 戦後、スーパーマーケットを中心に大衆消費社会が誕生すると、棚に並べやすいサイズの野菜が作られるようになった。例えばキュウリは21センチ、ホウレンソウは30センチという具合である。これがいつの間にか、工業製品のように奇麗な農作物が高級品というイメージになっていく。そういう消費者に、虫食いの跡があるようなものは売れない。

 ところが、有機で栽培すると、大きさがバラバラで、昆虫に食べられた跡が残り、既存の流通ルートに乗せると規格外になって値段が下がる。農家もそのことが分かっているから、残留基準値を超えないように、マニュアルに沿って何十回と農薬をまくのだ。農薬が危ないと分かっていてもやめられないのである。

 そもそも論になってしまうが、なぜ昆虫は人間が栽培した作物を食べるのだろう。昆虫が野原一面の草を食べたというのはあまり聞かないが、畑の野菜は、軒並み食べられることはよくある。なぜ?

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