いじめ動画と“ネット私刑”の現実 「正義の拡散」が生む新たな傷
大阪で、中学生が小学生を羽交い締めにして海に突き落とすという事件が発生し、その様子を撮影した動画がSNSで拡散され、社会に大きな衝撃を与えました。
これにイチ早く反応したのがネット上の“世論”でした。動画が拡散されると、加害者とされる人物やその家族の名前が特定されるという“ネット私刑”が起きたのです。
もちろん、いじめは決して許されることではありません。内容によっては、暴行罪、強要罪、傷害罪などの刑事事件に該当する可能性があります。一方で、加害者などの実名をさらしたり動画の無断拡散といった行為にも、名誉毀損やプライバシー侵害、業務妨害といった法的リスクが伴います。
それでもなお、動画を投稿する人が絶えない背景には、かつてこうしたいじめ問題が“なかったこと”にされてきた現実があるのかもしれません。「動画を出さないと学校は動かない」「SNSで騒ぎにならない限り、いじめは見過ごされる」といった、学校や行政への深い不信感が、拡散という手段を選ばせている側面もあるのでしょう。

















