著者のコラム一覧
大竹聡ライター

1963年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年には仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊した。主な著書に「酒呑まれ」「ずぶ六の四季」「レモンサワー」「五〇年酒場へ行こう」「最高の日本酒」「多摩川飲み下り」「酒場とコロナ」など。酒、酒場にまつわるエッセイ、レポート、小説などを執筆。月刊誌「あまから手帖」にて関西のバーについてのエッセイ「クロージング・タイム」を、マネーポストWEBにて「大竹聡の昼酒御免!」を連載中。

(27)三河の島で魚三昧

公開日: 更新日:

 クルマエビは生で出てきた。どうやって食べる? 簡単だ。殻を剥いて口へ入れる。味噌まで啜る。もう、言葉が出ない。酒が進む。この宿はすごい、日間賀島はすごい、と心の中で繰り返しながら女将さんが用意してくれた氷をタンブラーに入れては焼酎と水を足し、ぐいぐいと飲む。

 極めつけは、タコ。小さなタコ一匹が茹でられて、熱々で登場した。どうやって食べる? 簡単だ。ハサミで適当な大きさに切って口へ放り込むのだ。なんだか可哀そうな気もしたのだが、食い気が勝った。チョキンと切った足は温かく、柔らかく、そしてほのかにしょっぱい。なんて、うまいタコなのだろう。かみしめるほどにジワリとうまさが広がる。

 実に感動的な漁師民宿めしであることよ。日ごろ、あまり食べない私が食欲をむき出しにしていた。

 締めはタコめし。これが、また、言葉にならない。いわずもがな、というものである。

 島の魚を堪能した翌日は、船で半島へ戻り、電車で名古屋へ戻り、モルトウイスキーの揃えがすばらしいバーへ寄った。島酒を締める意味で、スカイ島の名品「タリスカー」のボトラーズものなど、しみじみと飲んだ。

 日間賀島1泊2日の飲み旅行。このときはタコが名物だったが、調べてみると、今はトラフグも名物らしい。フグなら秋から冬か。いや、夏までに、あのうまいタコを喰いに行こうか。ちょっと悩ましい島なのである。

【連載】大竹聡 大酒の一滴

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