著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

ニチイHD(上)日本生命保険による買収の舞台裏

公開日: 更新日:

 1年更新の損害保険と異なり、生命保険は契約してしまえば事足りるというわけで、生保はどうしても顧客との接点が少ない。いかにして顧客との接点を強化するかに各社は創意工夫を凝らす。

 日生が目を付けたのが介護サービスだった。平均寿命が大きく延びていることから市場拡大が見込める。介護や保育に対応した保険商品や保険についている介護サービスの強化などが軸となる。ニチイが持つ顧客基盤を生かし、生保事業との相乗効果を狙うというシナリオだ。ニチイのサービスが加わることで、顧客との接点が多くなることを期待している節がある。

「23年春、ニチイHD株を保有する米投資ファンドのベインキャピタルから売却のオファーを受け、業容拡大の好機とみて日生は買収を決断した」(M&Aに詳しいアナリスト)

 ベインキャピタルの側から見れば、ニチイHDを高値で売り抜ける出口戦略にほかならない。ベインがニチイHDを買収することになったそもそもの発端は、ニチイ学館の創業家の遺産相続だった。

「投資ファンドがニチイを買収して荒稼ぎした」とM&Aの歴史には書かれているらしい。ニチイがベインに買われるまでの経緯を振り返ってみよう。 =つづく

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    U18高校代表19人の全進路が判明!プロ志望は7人、投手3人は中大に内定、横浜高の4人は?

  2. 2

    「時代に挑んだ男」加納典明(43)500人斬り伝説「いざ…という時に相手マネジャー乱入、窓から飛び降り逃走した」

  3. 3

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  4. 4

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  5. 5

    《浜辺美波がどけよ》日テレ「24時間テレビ」永瀬廉が国技館に現れたのは番組終盤でモヤモヤの声

  1. 6

    沖縄尚学・末吉良丞の「直メジャー」実現へ米スカウトが虎視眈々…U18W杯きょう開幕

  2. 7

    世界陸上復活でも「やっぱりウザい」織田裕二と今田美桜スカスカコメントの絶妙バランス

  3. 8

    「24時間テレビ」大成功で日テレが背負った十字架…来年のチャリティーランナー人選が難航

  4. 9

    15年前に“茶髪&へそピアス”で話題だった美人陸上選手は39歳、2児のママ…「誹謗中傷もあって病んだことも」

  5. 10

    日本ハム新庄監督は来季続投する?球団周辺から聞こえた「意味深」な声