著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

京成電鉄(上)オリエンタルランド株をめぐり、物言う株主に「資本のねじれ」を突かれる

公開日: 更新日:

 京成電鉄の業績を見ておこう。23年4~12月期の連結決算は、売上高にあたる営業収益は前年同期比20%増の2226億円、営業利益は2.8倍の238億円、純利益は56%増の359億円だった。

 新型コロナ禍で落ち込んだ鉄道やバスの需要がコロナ前の9割の水準まで回復した。持ち分法適用会社のOLCの業績拡大を受けて営業外収益が増えた。

 しかし、株式市場の京成電鉄に対する評価はシビアだ。京成電鉄の時価総額(1月31日終値時点)は1.1兆円。OLCは10兆円。ほぼ10倍である。

 京成電鉄が保有するOLC株だけで2兆円になる。京成電鉄の時価総額の実に2倍だ。

「京成電鉄を丸ごと買って、手持ちにしたOLC株を半分売れば、投下した資金がすべて回収できることになる」(M&Aに詳しいアナリスト)

 京成電鉄とOLCのシナジー(相乗効果)も薄い。東京ディズニーリゾートはJR東日本が運行する京葉線舞浜駅の駅前にある。京成電鉄の沿線からはだいぶ離れている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑