与党が分裂→自民&維新vs公明&国民の様相に…予算案衆院通過に向けた政策協議で浮き彫り

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公明は都議選をにらみ恩を売ったほうが得策

 結局、赤羽一嘉税調会長は「年収1000万円近くまで薄く広げるべき」として自民案に同意せず、与党案ではなく自民単独案扱い。そもそも、14日に国民民主の榛葉賀津也幹事長と西田の会談で年収の壁引き上げの合意に向けた連携を確認。協議再開に消極的だった自民に圧力をかけたのも公明である。

 国民民主寄りの姿勢が目立ち、「公明はどっちの味方なんだ」と自民党内の不満は爆発寸前。もはや国民民主の援軍というよりも別動隊だが、公明を突き動かすのは維新憎しの情念だ。

 かつては大阪都構想に賛成するなど維新とは蜜月だったが、今や関西を中心に激しく議席を争う関係だ。昨年の衆院選では「常勝」を誇った大阪で維新に惨敗。仇敵と距離を縮める自民の態度が面白かろうはずはない。

「公明は最重視する6月の東京都議選をにらみ、国民民主に恩を売っておいた方が得策と考えているフシもある」とは都政関係者だ。こう続けた。

「国民民主は現状、都議会では議席ゼロとはいえ、政党支持率は野党トップをキープ。都議選に候補を大量擁立すれば軒並み当選し、党勢衰退が著しい公明を脅かしかねない。幸い公明は都議会で知事与党であり、小池都知事と国民民主の玉木代表(役職停止中)は親密な仲。同じ『小池シンパ』として国民民主と候補者調整に持ち込み、凋落傾向に歯止めをかけたい思惑はあるでしょう」

 逆に都議会自民は裏金問題が直撃。公明の都本部は関与の有無にかかわらず、自民候補を推薦しない方針だ。政権与党として自民と一緒くたにされたくない気持ちはアリアリ。いっそ連立を離脱した方が、有権者の理解を得られそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 自民裏金のキーマンは参考人招致で“暴露”の可能性…20日の聴取は延期になったものの、戦々恐々の旧安倍派幹部が重大証言を……関連記事【独自】で詳しく報じている。

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