初代監督が語る強さの“源流” なでしこ「ゴキブリ真っ黒」伝説

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■年間予算50万円の時代も

なでしこジャパンの選手たちは、男子と比べて取り巻く環境が劣悪だった女子サッカーの先人の苦労を思いやり、心の底からリスペクトしながら《私たちも奮闘努力します!》という強い気持ちに転化してプレーしている。連綿と続く《なでしこ魂》が、強さの源流となっているのです」と話すのは、なでしこジャパンの初代監督を務めた鈴木良平氏(ドイツサッカー協会公認S級ライセンス保持者)である。

「86年夏から女子代表を率いたが、当時の女子サッカー界の年間予算は50万円。それも年に1回の全日本女子サッカー選手権の運営費だったので海外遠征はもちろん、国内合宿を行うのにも資金面で四苦八苦しました。86年7月、イタリア国際という大会に招待されたのですが、その遠征費用がどこにもありません。三菱重工OBで女子サッカー連盟の理事長だった森健児、吉田泰知の両氏の口添えで三菱自動車社長に面会して300万円を無心しました。三菱の温情で『手書きでもいいから大会向けパンフレットを作り、その裏に三菱の広告を入れて300万円を出そう』ということになりました。相場で5万円ほどの広告費が300万円に化け、それで大会に参加することが出来ました。しかし、実は300万円では足りず、選手から一律5万円ずつを徴収して渡航費用に充てました」(鈴木氏)

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