サッカーは「自立した人間が集まって初めて成功できる」

公開日: 更新日:

「ベルギー戦の後、ピッチ上で号泣している息子の姿を見て『子育ての終了』を痛感しました」と話すのは、兵庫県サッカー協会技術委員長で日本代表DF昌子源(鹿島)の父・力さん(姫路独協大サッカー部監督)だ。その心境は、スポーツをやっている子供を育てる親の寄り添い方のヒントになるのでは――。ロシアの激闘から1カ月が経過した今、そんな思いが日に日に強まっているようだ。

 ◇  ◇  ◇

「私が仮にベルギー戦をロストフのスタジアムで見ていたとしても、源の肩を抱いてやれるわけでもなければ、やり場のない気持ちを埋めてやることもできない。『結局は彼が自分自身で消化するしかないことだ』と諦めにも似た心境になったんです。それは全てのスポーツに共通している。サッカー少年、少女を支えている親は送り迎えや食事、洗濯などさまざまな面でサポートをします。しかし、どんな熱心な親であろうとも最後は手を出せない。そのことを最初から自覚して向き合うこと。それが親に求められる『覚悟』だと言いたいですね」と力さんは静かに、力強く話した。

 昌子家も息子・源を育てる過程には紆余曲折があった。せっかく入ったG大阪ユースを辞めてサッカーから遠ざかり、素行不良だった中学時代。母の直美さんも、力さんと一緒になって朝帰りの息子をボコボコにした。「親も本気なんや!ってところを見せる必要があると思ったんです」と直美さんは述懐する。 

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも