永田洋光
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永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に「明治大学ラグビー部、復活への軌跡」(洋泉社)などがある。

王国NZで代表に上り詰めたレジェンドの方針転換は裏目に…

公開日: 更新日:

 そうした国で育ったエディーだからこそ、体格に劣る日本を率いて南アから勝利を狙うための発想が生まれたのだ。

 対照的にジェイミーは、クリント・イーストウッド監督の映画「インビクタス」で描かれた95年大会で、開催国の南アフリカと決勝戦で延長戦にもつれ込む死闘を戦った男だ。才能に恵まれたアスリートが、迷うことなくラグビーを選ぶ「王国」で、代表に上り詰めたレジェンドなのだ。

■パス多用が日本の伝統

 だから、彼のコーチングには、高い身体能力を持った選手たちを競わせながら、自らが考案した「理想のラグビー」を落とし込むという発想がある。選手を「育てる」よりも「選ぶ」ことに重点を置き、選び抜いた選手たちを「鍛える」のだ。

 その表れが、「理想のラグビー」である「キッキングラグビー」の導入だった。

 パスを多用してアタックを仕掛ける伝統に育った日本の選手に、いきなりキックで相手の防御を崩すように方針転換を迫ったのだ。

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