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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

陽川と江越が存在感を…阪神元“大砲候補”の新境地に期待

公開日: 更新日:

 江越のそれは走力と守備力、つまり若手時代から絶賛されていた野性味あふれる身体能力の高さだろう。これまで多くの識者が「ボールがバットに当たりさえすればとんでもない打者になる」と評してきたパワーの持ち主だが、打者としてはなかなか安定感を発揮できず、伸び悩んでいた。

 しかし、江越には超一級品の走力と守備力がある。だから代走と守備固めのスペシャリストとして配置すれば貴重な戦力となる。かつての大砲候補が守備・代走要員とは少々ダウンサイジングの印象があるかもしれないが、江越の身体能力を生かすには最高の起用法ともいえる。江越自身にとっても、今後は長所を磨くことだけに専念すれば新境地が開けるのではないか。かつての巨人・鈴木尚広よりもスケール感のある大型スペシャリストを目指してほしい。

 また、陽川の一点突破とはそれはもうホームランだろう。走攻守のバランスではなく、徹底的にホームランにこだわったスーパーサブという存在はプロ野球史上でも珍しい。かつての阪急の代打屋で代打本塁打世界記録保持者(27本)でもある高井保弘のような、打つことしか考えていません的なアンコ形の選手を目指したら陽川はまだまだ輝けるのではないか。

 大山と佐藤の台頭によって、かつての大砲候補たちが一斉に姿を消すのではなく、新しい居場所で再生されるなら理想的だ。願わくは、16年の新人王・高山俊も新境地を見いだしてほしい。

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