ぼったくり男爵より危うい 五輪開催に暴走する政府の狙い

公開日: 更新日:

■熱狂する国民を…

「ぼったくり男爵」との批判はもっともだが、スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏は「開催に向けて暴走しているのは、むしろ日本です」と言ってこう続ける。

「当初、東京五輪を開催する意義はなかった。そこで東日本大震災からの復興をシンボルにしたわけだが、国民や多くの援助をしてくれた海外受けを狙ったデタラメです。原発事故の汚染水について『アンダーコントロール』と大ウソをついた安倍前首相は、五輪で熱狂する国民を一体化し、戦争ができるように憲法改正に持っていくのが狙いだった。森喜朗前組織委員会会長がバックにつき、『オールジャパン』『ワンチーム』などと言い出したことは記憶に新しい。五輪開催は経済効果もありますが、それよりも憲法改正のために五輪を政治利用したのです。安倍、森両氏は表舞台から消えたが、コロナ禍で国民の7割以上が五輪の延期・中止を望んでいても、実際に開幕すれば無観客でも絶対に盛り上がる、と思っているはずです。自民党の衆院選を有利にするためなんて声もありますが、国がしゃかりきになって東京五輪を開催したい最大の理由はここにあるのです」

 くしくも6日、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案をめぐり、自民党と立憲民主党は今国会で成立させることで合意した。コロナ禍で毎日死者が出ている今、憲法改正うんぬんではなかろう。米紙のバッハ会長批判に膝をたたいている場合ではない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ