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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

ウクライナ侵攻の中、IOCがパリ五輪日程発表 そして再び問われるバッハ会長の手腕

公開日: 更新日:

 ロシアのウクライナ侵攻からひと月半、もはや第3次世界大戦に入っているのか。便利なはずのSNSの発達でどの情報にも疑心暗鬼が走り、本当のところが掴めない。

■5月の全仏が直結

 第2次世界大戦ではほとんどのスポーツが停止した。オリンピックは2度中止に追い込まれ、テニスの全仏、ウィンブルドンも6年間なかった。ただ、大リーグは戦力ダウンしながら続行した。ルーズベルト大統領はコミッショナーのマウンテン・ランディスにこんな手紙を送った。

「長時間労働を余儀なくされる国民に、心を休めるレクリエーションが一層必要とされている」

 合衆国の立ち位置だ。

 既に国際テニス連盟(ITF)などの競技団体が制裁措置としてロシア、ベラルーシの国としての活動を禁じ、その流れは個人にまで及んでぎくしゃくとした空気が流れている。冷戦期の昔に戻そうにも戻れない、そんな戸惑いがある。

 1980年代に冷戦の壁に穴をあけたのはテニスだった。ITF会長フィリップ・シャトリエが、テニスの世界発展を誇示すると、東側の高官に「しょせん世界の半分でしょう」と反論された。東欧諸国はプロツアーに参加していなかった。そこでシャトリエは五輪復帰を決めると、旧ソ連からユリア・アポストリ姉妹などがツアーに参加し始めた。現世界5位、ギリシャのステファノス・チチパスの母親だ。

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