工藤公康氏が狙うは侍Jより巨人監督の座か…球界の盟主に初の「外様」指揮官招聘の動き

公開日: 更新日:

自称“野球オタク”は短期決戦で無類の強さ

 工藤氏が選手、指導者として突出する実績を持っているのは確かだ。

 西武からダイエー、巨人横浜、西武と渡り歩いた実働29年は山本昌、中嶋聡と並ぶプロ野球記録。通算224勝(142敗)を挙げて14度のリーグ優勝、11度の日本一を経験し、「優勝請負人」と呼ばれた。

 15年にコーチ経験のないまま就任したソフトバンク監督としても、7年間で3度のリーグ優勝、5度の日本シリーズ制覇を達成。ポストシーズンでは19年のCSファーストステージ第2戦から16連勝、日本シリーズでも18年の第3戦から12連勝という驚異的な勝率をマークし、監督としても「優勝請負人」の名をほしいままにした。

栗山英樹監督の退任が正式に発表された侍ジャパンの次期監督候補として工藤さんがリストアップされています」と、NPB関係者がこう続ける。

「ポスト栗山にはイチロー、松井(秀喜)の名前も取りざたされていますが、さすがに監督経験がなく日本球界を離れて久しい2人の就任は現実的ではないでしょう。仮に要請しても固辞されるのは目に見えている。監督としても実績を残した工藤さんは、特にポストシーズンで無類の強さを発揮。“野球オタク”を自称し、ソフトバンク監督時代には自宅に6台のモニターを並べて、今では当たり前になったトラックマンなどのデータをいち早く選手起用や継投に活用するなど、データ分析にもたけている。侍ジャパンに大きな影響力を持つソフトバンクの王(貞治)球団会長とも太いパイプがあり、一昨年まで監督を務めていたから現場感にも問題がない。有力候補のひとりであるのは間違いありません」

 日本代表の新監督は侍ジャパン強化委員会の選考を経て、今年8月末をメドに決定する。11月のアジアプロ野球チャンピオンシップで初陣を迎えるが、26年の第6回WBCまで活動は限定的。工藤氏は腰を据えたチーム強化が可能な環境を望んでいるとされ、日本代表監督として白羽の矢が立ったとしても、受諾するかは微妙で、「むしろ狙いは原監督の後釜ではないか」(ソフトバンク関係者)という声もある。

■球団創設90周年の記念イヤーを前に屈辱的成績

 6日のオリックス戦に1-2で敗れた巨人は、首位の阪神に9.5ゲーム差の4位に低迷。チーム防御率は12球団で唯一の4点台となる4.05と投手陣の崩壊に歯止めが利かず、ネット上では原監督の用兵、采配に対する批判があふれている。3年契約の2年目ながら、球団周辺では「阿部ヘッドコーチの内部昇格案」「高橋前監督の復帰説」「松井監督待望論」「栗山前日本代表監督のGM招聘計画」などが囁かれ始めるなど、その地位は決して安泰ではない。監督通算17年目を迎えた原監督が「成績に関係なく、今季限りで自ら身を引く」という見方も根強い。

 巨人は現在、26勝28敗の借金2。長い球団の歴史でも、3年連続で勝率5割を割った例はない。来季は球団創設90周年の記念イヤー。初の「外様監督」という歴史的人事が行われても不思議ではない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  3. 8

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  4. 9

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  5. 10

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃