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釜本邦茂元日本サッカー協会副会長

1944年4月15日生まれ。京都市出身。早稲田大2年で日本代表入り。64年東京五輪に続いて出場した68年メキシコ五輪で得点王を獲得。銅メダル獲得の原動力となった。日本代表Aマッチ76試合75得点(B、Cマッチを含めると231試合153得点)。Jリーグ発足後はG大阪初代監督。98年に日本サッカー協会副会長。95年から参議院議員を務めた。

突然のがん宣告にも動揺なし「で、ステージはナンボでしょうか?」

公開日: 更新日:

 もちろんステージ1と言われ、ホッとしたのは事実ではあるが――。

■妻も「へぇ~、そうなんや」

 自分で車を運転して入院したので退院時も自らハンドルを握り、ひとりで自宅まで戻った。

 妻の修子に「お父さん(とプライベートでは呼ばれている)、どないやった?」と聞かれた。

「何や、先生は喉頭がんや、言うてはるで」

「へぇ~、そうなんや」 お母さん(妻をこう呼んでいる)は、いたって冷静そのものだった。

 決して怖がりのタイプではないが、これまで私が病院にかかって検査結果を聞く段になると「一緒に聞くのも何だか怖いから……お父さんがひとりで聞いてきて」と尻込みすることがあった。

 この時は自宅に戻ってがん宣告を伝えても、お母さんは動じなかった。 そもそも声がかすれるだけで痛いもかゆいもなかったし、手術前も手術後も、体の内部が変調をきたしているような違和感はなかった。私自身に悲愴感がなく、そのあたりをお母さんも敏感に感じ取り、平常心を保てたのではないだろうか。

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